shiri-kawa(尻皮)
皆さんまいどです^^
今回紹介するのはボクのブッシュクラフトワークのひとつのテーマでもある
「最新の物が最善とは限らない」が見事に当てはまる道具だと思う。
※ただ、アウトドアや自然が好きな方でも狩猟や刃物のたぐいが
あまり好きじゃない方もいらっしゃると思うので、ご興味無い方は
今回の記事は飛ばして頂いて下さいませ^^;

この「尻皮」こそ日本古来の和式ブッシュクラフトワークとも言えるかも知れない。
まだアウトドアメーカーなどが殆ど無かった時代に山での寒い冬の時期
雪や氷の冷たい雪渓や岩の上に腰を下ろしても衣服を濡れや寒さから
防いでくれたのがこの尻皮だった。当時の山行では大変な必需品であっただろう。
だが今では往年の登山者はもちろん本職の猟師さんでさえも
使っている人は稀なのではないだろうか。
もちろん廃れてしまった理由に現代の機能的なテクニカル素材の
ウェアの登場でその必要性が無くなってしまったからである。
ボクの敬愛する山岳写真家の故・田淵行男先生も立派な「尻皮」を
付けている。当時のお写真を見る限り毛皮はカモシカであろう。
自然や動植物だけではなく先生の道具に対する並々なる追求は大変なものがあり
以前、安曇野の田淵行男記念館で先生自作の黄色いテントを初めて見たときは
あまりの完成度の凄さに氷付いてしまった。
ただ、こう言う物は火打金と火打石で火を熾す事と同様
誰も使わなくなり廃れてしまい消えゆく運命にある。
あと市販されている毛皮の場合は、なめし業者さんが「毛皮」として
なめした革なので冬の野外での濡れた地面、雪や氷の上に過度に
座ったり敷いて使用する前提には作っておらず。
衣類などのファッションでの使用か鑑賞用の物がほとんど。
仕上げの段階でしっかりと油でなめされていなければならない。
なので買った普通の毛皮では本来の「尻皮」としての意味がないので、(多少は
あるかもしれないが…^^;)もし本物の尻皮が欲しいなら自分で作るしかない。
または猟師の方に無理をお願いして本物を譲って頂くしかない。

今回偶然にも地元のロードキルの狸を譲って頂ける機会があり。
その際「尻皮」の作り方も教えて頂きました。
これは山の神様の贈り物と思い礼儀として毛皮は山中で自分で剥いでなめしました。
今回初めてなめし作業を行なったのですが「皮」から日頃見慣れている
「革」へと変わる行程は実際に自分でやってみないと本やネットを
見ただけでは分からない事が多かったです。
野生の動物の多くはマダニがコロニーを形成して本体に付着しているので
皮を剥ぐ前に焚火をしながら煙で燻してやるといいです。
マダニが面白いように取れていきます。
これはボクの個人的な考えだがマダニやスズメバチや山ビルなどの被害が
近年特に騒がれるようになったのは人が山中で頻繁に煮炊の焚火や野焼き
などの火を使わなくなってしまった、または野外で火を安全に扱える人間が
減ってしまったからだと思う。
この山の天然の蚊取線香がなくなり人と動物の住み分けが昔より曖昧に
なってしまったからだと思う。

(革ベルト部分に様々な道具を取り付けられる仕様に。
和的には真田紐のほうが良いかも知れない。)

実際に使って見た感想として先人のお話の通り
雪の上に座っても濡れないし驚く程温かい。
また雪が毛皮に付いても払っただけですぐに雪を弾く撥水性と速乾性。
これもよくよく考えたら当たり前で厳しい自然環境の中で24時間365日
毎日生活していた動物の毛皮なのだから機能的でない理由がない。
昔の人の自然の動物を利用した道具の知恵と言うのは大変素晴らしい。
ボク自身もそうだが特に最近思うのは最新の道具に頼り過ぎて本来は
誰もが持っている危険を感知する能力や応用の感覚が失っているようで
ならない。

腰全体を覆うほどの大きなサイズの物は「腰皮」または「腰当」などと
言われる物で鹿や熊の毛皮の物が多い。
雪や氷の岩の上で腰を付く程度ならこの「尻皮」サイズが丁度いい。
あとザックを背負った際にウェストベルトと干渉しない様に
尻皮の位置を腰のやや下側に来る様に調整した。
これだと座った時に尻皮が自然に尻の真下に来ることになる。
最後にとても素晴らしい古来からの道具なのではあるが
お金を出せば誰もが直ぐに手に入るものではないので
紹介しておきながらなかなかオススメ出来ないのが残念ではある。。。
ではでは!
今回紹介するのはボクのブッシュクラフトワークのひとつのテーマでもある
「最新の物が最善とは限らない」が見事に当てはまる道具だと思う。
※ただ、アウトドアや自然が好きな方でも狩猟や刃物のたぐいが
あまり好きじゃない方もいらっしゃると思うので、ご興味無い方は
今回の記事は飛ばして頂いて下さいませ^^;

この「尻皮」こそ日本古来の和式ブッシュクラフトワークとも言えるかも知れない。
まだアウトドアメーカーなどが殆ど無かった時代に山での寒い冬の時期
雪や氷の冷たい雪渓や岩の上に腰を下ろしても衣服を濡れや寒さから
防いでくれたのがこの尻皮だった。当時の山行では大変な必需品であっただろう。
だが今では往年の登山者はもちろん本職の猟師さんでさえも
使っている人は稀なのではないだろうか。
もちろん廃れてしまった理由に現代の機能的なテクニカル素材の
ウェアの登場でその必要性が無くなってしまったからである。
ボクの敬愛する山岳写真家の故・田淵行男先生も立派な「尻皮」を
付けている。当時のお写真を見る限り毛皮はカモシカであろう。
自然や動植物だけではなく先生の道具に対する並々なる追求は大変なものがあり
以前、安曇野の田淵行男記念館で先生自作の黄色いテントを初めて見たときは
あまりの完成度の凄さに氷付いてしまった。
ただ、こう言う物は火打金と火打石で火を熾す事と同様
誰も使わなくなり廃れてしまい消えゆく運命にある。
あと市販されている毛皮の場合は、なめし業者さんが「毛皮」として
なめした革なので冬の野外での濡れた地面、雪や氷の上に過度に
座ったり敷いて使用する前提には作っておらず。
衣類などのファッションでの使用か鑑賞用の物がほとんど。
仕上げの段階でしっかりと油でなめされていなければならない。
なので買った普通の毛皮では本来の「尻皮」としての意味がないので、(多少は
あるかもしれないが…^^;)もし本物の尻皮が欲しいなら自分で作るしかない。
または猟師の方に無理をお願いして本物を譲って頂くしかない。

今回偶然にも地元のロードキルの狸を譲って頂ける機会があり。
その際「尻皮」の作り方も教えて頂きました。
これは山の神様の贈り物と思い礼儀として毛皮は山中で自分で剥いでなめしました。
今回初めてなめし作業を行なったのですが「皮」から日頃見慣れている
「革」へと変わる行程は実際に自分でやってみないと本やネットを
見ただけでは分からない事が多かったです。
野生の動物の多くはマダニがコロニーを形成して本体に付着しているので
皮を剥ぐ前に焚火をしながら煙で燻してやるといいです。
マダニが面白いように取れていきます。
これはボクの個人的な考えだがマダニやスズメバチや山ビルなどの被害が
近年特に騒がれるようになったのは人が山中で頻繁に煮炊の焚火や野焼き
などの火を使わなくなってしまった、または野外で火を安全に扱える人間が
減ってしまったからだと思う。
この山の天然の蚊取線香がなくなり人と動物の住み分けが昔より曖昧に
なってしまったからだと思う。

(革ベルト部分に様々な道具を取り付けられる仕様に。
和的には真田紐のほうが良いかも知れない。)

実際に使って見た感想として先人のお話の通り
雪の上に座っても濡れないし驚く程温かい。
また雪が毛皮に付いても払っただけですぐに雪を弾く撥水性と速乾性。
これもよくよく考えたら当たり前で厳しい自然環境の中で24時間365日
毎日生活していた動物の毛皮なのだから機能的でない理由がない。
昔の人の自然の動物を利用した道具の知恵と言うのは大変素晴らしい。
ボク自身もそうだが特に最近思うのは最新の道具に頼り過ぎて本来は
誰もが持っている危険を感知する能力や応用の感覚が失っているようで
ならない。

腰全体を覆うほどの大きなサイズの物は「腰皮」または「腰当」などと
言われる物で鹿や熊の毛皮の物が多い。
雪や氷の岩の上で腰を付く程度ならこの「尻皮」サイズが丁度いい。
あとザックを背負った際にウェストベルトと干渉しない様に
尻皮の位置を腰のやや下側に来る様に調整した。
これだと座った時に尻皮が自然に尻の真下に来ることになる。
最後にとても素晴らしい古来からの道具なのではあるが
お金を出せば誰もが直ぐに手に入るものではないので
紹介しておきながらなかなかオススメ出来ないのが残念ではある。。。
ではでは!
鞣しは非常に根気がいる仕事ですが、塩だけで鞣す技術がまだ保持されているそうです。みょうばんや重曹は使われましたか?