絵描きゴトキャンプゴト。

スズキサトルのイラストやアウトドア活動を紹介していくブログ。

ブッシュクラフトナイフをデザインする。

皆さんまいどです^^

実は先日、ナイフ作家の松田菊男さんから是非一緒にブッシュクラフトナイフを
作りませんかと、大変光栄な依頼がありました。
お忙しいなかわざわざ岐阜県関市から松本まで起し頂いて大変恐縮です^^;

実際にお会いしてみてお話を聞くとキクさん(以後キクさん)曰く、
今回ブッシュクラフトナイフを作ってみたいんだけど
実際のところ「ブッシュクラフト」って自分じゃよくわからん。
と、率直に仰って頂いてボクは大変正直な方だなと思ました。

関で何十年も数々の種類の刃物を作ってきた方がそう仰るくらい
確かにブッシュクラフトナイフってちゃんと説明できる人は少ないと思う。。。^^;

ブッシュクラフトナイフとして必要な要素、特徴等を簡単に説明させて頂きました。
でもボクなんかよりキャリアも年齢も上なのに下の者の意見を素直に聞けるなんて
見習わなければ。。。いけないと思った^^;

2017-11-20青北風02s
それで、そのお会いした際に参考に。と、持って来て頂いたナイフが
とんでもない代物でした^^;
キクさんはナイフ作家さんでもあるのですが本業は
関で40年以上のキャリアを持つブレイド研削専門の職人さんなのです。
なのでそんな方が刃を付けた刃物は。。。そりゃ凄いです。

2017-11-20青北風01s
松田菊男 作 青北風(あおぎた)
刃長:145mm
全長:270mm
刃厚:4mm
鋼材:SPG2(積層)
ブレード:コンベックス/フルタング
ハンドル:G10
シース:カイデックス
価格: 65,000円 (税込)


まず使った感想ですが、驚異的な切れ味にビックリです。
自然木の硬い枝でのフェザースティックが何の抵抗もなく包丁のように
スーと引けちゃいます。
正直、ボクの持っているナイフの中で一番切れると思う。。。^^;
先日の斧の柄を作るときこれがあったら楽ちんやったな。。。

この青北風はアウトドアユース向けに制作されたようですが、
クラフトよりもハンティングナイフの要素が強い感じを受けました。
ちょっとした剣鉈くらいの印象。
でも、その大きさの割にはとても軽量なので扱い易いです。


2017-11-20青北風03s
あとこのSPG2(スーパーゴールド2)なんだけどよく高級包丁に使われてる
鋼材だけあって青紙くらい永切れするくせにめちゃめちゃ研ぎやすい。
欠けても、研ぎやすいからまたすぐ刃が付く。
刃物としては大変理想的な鋼材かもしれない。
ステンレスハイスなので錆びにくいしね。

ただ、キクさん的には硬い木を相手にボクが想定するような
バトニング等ハードな使い方をするブッシュクラフトナイフとして考えると
ちょっとSPG2では硬度が足りないかなとも言っていたので
今回ボクと作るブッシュクラフトナイフには別の鋼材が使われることになると思う。
この辺りは餅は餅屋さんに任すつもりだ^^;

2017-11-20青北風05s
ボクがとても感心したのがこの一刀彫りのような独特なハンドル。
多分これ手の大きさ関係なく誰が持っても握りやすいと思う。
ボクは太いハンドルが好みなんだけど。
このハンドル細めの割にどんな持ち方をしても指がどこかに
乗るというか吸い付く感じでフィット感が大変素晴らしい。
このハンドルはこのまま採用したいと思いました。

2017-11-20青北風07s
このナイフにはコンパクトに収納出来るナノストライカーも付属してるけど
せっかちなボクには展開するまでのアクションが少し多いかな。。。^^;
なのでボクの考えるブッシュクラフトナイフでは
オリジナルのストライカーを考えてます。

2017-11-20青北風09s
キクさんのナイフにはベルトにワンタッチで着脱出来る
CUTAWAY社のドットロックが標準装備。
これを使う場合はシースは横挿しのほうがいいかもね。

2017-11-20青北風06s
ただ、ボクは腰回りがゴテっとするのが嫌なので普段から
ベルトにはナイフ類は付けない。
パラコードか真田紐が1本あれば事足りるからだ。
ベルトをしなくてもいいので現場でどんな刃物にも直ぐに対応出来てしまう。
昔の日本人はみんなベルトなんかしてなかったし。。。^^;

2017-11-20青北風08s
とてもいいナイフなのだがブッシュクラフトナイフなのか?
と言われると少し違うと思いました。

ブッシュクラフトナイフの特徴としてハンドル材に木や骨。
シースには革など天然素材を使用している物が好まれるのは
ナイフ自体がハードな印象があるため見た目のソフト感が大変重要な要素だと思う。
北欧のプーッコなどはまさにそんな感じである。

今回ボクはそういった天然素材を使わなくてもあえて最新の素材を使って
ハードな印象を与えないナイフを考えている。
ブッシュクラフトナイフこそそういう面白い事が出来るジャンルのナイフだと思う。

でも結局はどんなナイフを使ってもその人が一番使いやすいナイフが
その人にとって一番いいナイフだと思います^^

ではでは!

ストーンブリッジフォールディングキャンドルランタン

皆さんまいどです!

今回は前から気なっていた折り畳み式の オールドキャンドルランタンをご紹介。
敬愛する田淵行男先生もあの黄色いテントの中でこれと同じ明かりを
見ていたのだろうか。。。

ランタン_00s
The StoneBridge Automatic Folding Candle lantern(ストーンブリッジフォールディングキャンドルランタン)

素材:真鍮/雲母
サイズ:218x122x111mm(収納時:21x122x177mm)
重量:508g
made in India
価格:6,800円(税抜)


この真鍮製のランタンはストーンブリッジ氏が1906年に製造してから
100年近く変わらぬデザインで現在も製造され続けています。

う~ん、夜は焚火の炎とこのくらいの明かりで十分なんだよね。
山ならヘッドライトもあるし^^;

ランタン_01s
オプションの革製ケースはUCOの専用キャンドルが3本収納。
ランタンとセットでアウトドア好きなお友達のプレゼントにいいかもしれない。
本体は折り畳みなのでとてもコンパクト。

ランタン_02s
展開はとても簡単で5秒くらい。
構造もシンプルで壊れてもこれなら自分で直せそう。
現地で応急処置的にでもいいから直せるって野外道具では意外と重要な要素。

ランタン_03s
製造国のインドは真鍮工芸の歴史は大変古く
多分どこかの町工場でコツコツと作ってるんだろうね^^

ランタン_04s
この耐熱性のある雲母製スクリーンはガラスよりも軽量で頑丈。
おかげでどんな強風でもローソクの炎は消えない。
実用的にも大変素晴らしい。

ランタン_05s
実はこのランタン。
安曇野市にある田淵行男記念館にスチール製のビンテージ版が展示してあります。

以前、ブッシュクラフト株式会社の相馬さんを記念館にお連れした際に
そのランタンが大変気になってたようで、いつか販売しようと思ってたらしいです。
ちなみに初回分は全て完売したようです。^^

ランタン_06s
最後、折りたたむときにひとつ注意して欲しいのが写真のように
一度、底のパネルを押さえながらサイドをたたむこと。
そうすれば雲母のスクリーンにキズが付きにくい。
まあ、でもこう言う物ってキズが付いたり多少凹んでも
またそれが味になっていいんだけどね^^;

詳しい仕様はこちらの"サバイバルJPさんのほうに載っているので
ご興味ある方は是非~^^


あと、撮影中近くにちょうどいい感じに伐採された灌木があったので
斧の柄にすることに。

随分前に愛用の斧の柄が割れてしまったのですが
ボク的にはそれはあまり残念なことではなく。
こういった不慮の出来事のおかげで自らの野外での経験と技術が上がるので
これはこれでいつも結果オーライだと思っている。

斧カスタム_01s
ブッシュクラフトナイフがあればバトニング等を駆使して
太い丸木からものの20分くらいでこのくらいまでは普通に削れる。
生木から削る場合、乾燥して木が収縮するのでその分も計算して形を整えて行く。
柄を斧の頭身の口に合わせるのが一番難しいところ。
ユルすぎてもキツすぎてもダメ。

斧カスタム_02s
で、形を整えて1~2日おいたらこんな感じに。
四角い板は楔用のパーツ。柄と同じ材質が好ましい。

ちなみに写真の斧頭はグレンスのスカンジナビアンフォレスト。
枝払いのシリーズで一番大きいタイプ。
野外でボクは薪割りもこれ1本でこなしてしまう。

斧カスタム_03s
先程の楔を打ち込んだらこのままある程度乾燥させる。
頭が少しでもグラつくようだったら作り直し。
がっちり嵌まってビクともしないようだったら最後に鉄の楔を打ち込む。

多分これ、斧頭の重量が850gもあるんで今回自作した柄のラインと
太さと長さのバランスを考るととても理想的な野外用斧が完成したと思う。
これでヘッドにハンマーが付いていればさらに完璧やねんけど。。。

いつか斧メーカーさんとブッシュクラフトに特化した野外用斧を作りたいな~^^;

斧カスタム_04s
仕上げに、滑り止め等を施して完成。
詳しい作り方は現在書いているボクのクラフト本に掲載予定~^^

斧カスタム_05s
刃香(はぐつ)
和式ブッシュクラフト的な日本古来からある斧カバー。
ボクは耐久性のあるシュロ縄で作っている。
既にロストカルチャー的存在になっているので
こんなの最近の林業の人も知らないのではないだろうか?

と、思っていたらまさかこの刃香が地元松本の刃物店で販売しているやないですか
。。。信州松本って凄い^^;
最近気になる鉈鎌や斧の頭だけとか売ってるし今度お伺いしてみようかな。

森脇刃物店さん


ではでは!

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スズキサトル SUZUKI SATORU

Author:スズキサトル SUZUKI SATORU
かれこれ25年以上イラストレーターをしております。ブッシュクラフトを中心としたキャンプスタイルを絵本やイラストとともに提案しております。

『イタリア・ボローニャ
国際絵本原画展』
ノンフィクション部門
2011・2012・2013年度入選

日本理科美術協会会員

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